菊池雄星がブルージェイズで活躍できる3つの理由。初陣のヤンキース戦でも「その能力」をさっそく披露

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

福島良一「MLBコアサイド」

 1973年の初渡米から50年にわたってメジャーリーグの造詣を深めてきた福島良一氏に、さまざまな魅力を伝えてもらう「MLBコアサイド」。今回はシアトル・マリナーズからトロント・ブルージェイズに移籍した菊池雄星投手について語ってもらいました。

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オープン戦初登板で見事なピッチングを見せた菊池雄星オープン戦初登板で見事なピッチングを見せた菊池雄星この記事に関連する写真を見る 現地3月14日、トロント・ブルージェイズはシアトル・マリナーズからFAとなっていた菊池雄星投手と3年総額3600万ドル(約43億6000万円)で契約したことを発表しました。菊池投手はさっそくフロリダ州ダンイーデンに飛んでキャンプに加わり、2022シーズンの新たなスタートをきっています。

 菊池投手はマリナーズと1年1300万ドル(約15億7000万円)の契約延長オプションを破棄し、親しみ深いシアトルから離れる決断をした結果、大型契約を結ぶことに成功しました。ブルージェイズが大金を積んでも菊池投手を欲しがったのは、いくつも活躍できそうな理由があるからです。

 最初に挙げられる理由は、菊池投手が左ピッチャーである点でしょう。

 昨シーズン、ブルージェイズには韓国出身の柳賢振(リュ・ヒョンジン)、ロビー・レイ、スティーブン・マッツと、3人の左の先発投手が在籍していました。しかし、サイ・ヤング賞を獲得したレイがシーズン終了後にFAでマリナーズへと移籍。さらに自己最多14勝を挙げたマッツもFAでセントルイス・カージナルスと契約し、ブルージェイズを離れました。

 その穴を埋めるため、ブルージェイズはサンフランシスコ・ジャイアンツからFAでケビン・ガウスマンを獲得。ただ、昨季14勝のエース候補を加えたことは心強いですが、先発候補5人のうち左投手は柳ひとりだけ。そこで速球派として評価が高く、故障も少ない菊池投手に白羽の矢が立ったのです。

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