菊池雄星がブルージェイズで活躍できる3つの理由。初陣のヤンキース戦でも「その能力」をさっそく披露 (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

東地区のチームに共通すること

 なぜブルージェイズは、左の先発投手を大型契約を結んでまで欲しがっているのか。その理由は、ブルージェイズが所属するア・リーグ東地区に左投手有利な球場が多いからです。

 たとえば、ア・リーグ東地区を代表する名門ニューヨーク・ヤンキース。本拠地ヤンキースタジアムは伝統的にライトが浅く、逆に左中間が深い球場として有名です。本塁から左中間フェンスまでの距離が399フィート(約122メートル)もあり、左投手が有利な形状をしています。

 または、ヤンキース最大のライバルであるボストン・レッドソックス。本拠地フェンウェイパークはレフトが狭い代わりに高さ11.3メートルの巨大なフェンス「グリーンモンスター」がそびえたち、右のプルヒッターの打球をはねのけます。

 さらに、ボルティモア・オリオールズが本拠地とするオリオールパーク・アットカムデンヤーズ。以前は本塁から左中間まで364フィート(約111メートル)しかありませんでしたが、今年から本塁打の出にくい球場に改修されました。最大約9メートルも後方に下げ、さらにフェンスも高くしたのです。

 強打者の揃うア・リーグ東地区において、登板機会の多いアウェーの各球場で有利な左投手は必要不可欠。マリナーズの所属するア・リーグ西地区と環境は大きく変わりますが、移籍1年目から先発ローテーションの一員として大いに働いてくれるのではないでしょうか。

 そして2番目に菊池投手が活躍できそうな理由は、ストライク先行の投球内容です。

 昨シーズンの菊池投手は、初球ストライク率が62.9%もありました。これはメジャーリーグ全体の平均初球ストライク率(約58%)と比べて、かなり高い数字です。

 昨シーズン最初の先発登板となった4月2日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦は、まさに圧巻でした。6回3失点10奪三振と好投したピッチングの詳細は、実に25人中19人の打者に対して初球ストライク。全体を見ても89球中67球がストライクというすばらしい内容でした。

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