菊池雄星がブルージェイズで活躍できる3つの理由。初陣のヤンキース戦でも「その能力」をさっそく披露 (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

信頼の置ける数々のデータ

 また、8月31日のヒューストン・アストロズ戦で7回無失点に抑えた試合でも、衝撃的な数字を残しています。打者26人中21人に対して初球ストライクを記録し、その割合は80%を超えていました。

 なぜ初球ストライクが重要かと言うと、ア・リーグ東地区にはパワーと選球眼を兼ね備えた好バッターが数多くいるからです。ヤンキースはホームラン打者を揃えながら昨年ア・リーグ1位の621四球、2年連続地区優勝のタンパベイ・レイズもア・リーグ3位の585四球という記録を残しています。

 じっくりと選球して忍耐強く攻撃を仕掛けてくる打者に対し、こちらはストライク先行の攻撃的なピッチングで追い込むことが重要となります。不利なカウントから打たれたり無駄な四球を与えると、そこから大量失点にもつながるので、菊池投手の初球ストライク率は信頼の置けるデータだと思います。

 現地3月22日に行なわれたヤンキースとのオープン戦では、先発で打者7人に対して無安打、4奪三振、1与四球の無失点に抑え、上々の新天地デビューを果たしました。7人の打者のうち6人から初球ストライクを取るなど、ブルージェイズ首脳陣の期待にさっそく応えていました。

 そして3番目に菊池投手の活躍が期待される理由は、ゴロに打ち取る比率が高いことです。

 昨シーズンの菊池投手は、1個のフライアウトに対して1.51個のゴロアウトをマークしています。4月29日のヒューストン・アストロズ戦を7回1安打無失点で抑えて初勝利を挙げた時は、2個のフライアウトに対して実に11個ものゴロアウトを奪っていました。また、5月5日のオリオールズ戦を7回3失点に抑えた時も、同じく11個のゴロアウトを記録しています。

 ヤンキースとレッドソックスを筆頭に、ア・リーグ東地区は強力打線を誇るチームばかり。昨年ヤンキースとレイズはア・リーグ3位タイの222本塁打、レッドソックスはア・リーグ6位の219本塁打をマークしています。よって一発を防ぐには、フライでなくゴロで打ち取ることが重要です。

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