開幕投手のダルビッシュ有「もう投げられる準備はできている」。5年ぶりに「10勝の壁」を超えられるか

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

福島良一「MLBコアサイド」

 1973年の初渡米から50年にわたってメジャーリーグの造詣を深めてきた福島良一氏に、さまざまな魅力を伝えてもらう「MLBコアサイド」。今回は2年連続で開幕投手を務めるサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手について語ってもらいました。

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ダルビッシュ有は昨年後半の不調から復活できるかダルビッシュ有は昨年後半の不調から復活できるかこの記事に関連する写真を見る 現地4月7日(日本時間4月8日)、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手がアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦で開幕マウンドに立ちます。開幕投手を務めるのは2年連続3度目。過去2回(2017年クリーブランド・インディアンス戦、2021年ダイヤモンドバックス戦)はいずれも勝敗がつきませんでしたので、今回初のメジャー開幕投手勝利を目指します。

 昨シーズンのダルビッシュ投手は、大きな期待を背負ってパドレスに移籍してきました。2020年はシカゴ・カブスのエースとして、新型コロナウイルス感染拡大の影響による短縮シーズン(60試合)ながら、日本人初の最多勝となるナ・リーグ1位の8勝をマーク。また、リーグ2位の防御率2.01、同4位のWHIP0.96など抜きん出た数字を記録し、サイ・ヤング賞投票で2位となりました。

 そのすばらしい成績を引っさげて、ダルビッシュ投手は同年12月にナ・リーグ中地区のカブスから西地区のパドレスへ電撃トレード。移籍1年目ながら開幕投手に抜擢され、オールスターゲームにも選出されるなど、シーズン前半は16先発で7勝2敗・防御率2.44と抜群のピッチングを披露しました。

 ところが、シーズン後半の7月以降、ダルビッシュ投手の成績は急降下します。14試合に先発して、わずか1勝(9敗)どまり。最終的にはキャリアワーストの防御率4.22という成績に終わりました。

 その原因は、重なる故障です。7月9日に左股関節周辺の炎症などで戦線離脱。7月20日に戦列復帰したものの、8月13日に腰の張りのため再び離脱することになりました。さらに9月30日にも左股関節のインピンジメントで3度目の負傷者リスト入り。そのままシーズン終了となってしまいました。

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