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大谷翔平の投球はすでに「シーズン中盤並み」の完成度。開幕投手に向けては「新ルール」も追い風に (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

投球分析家も絶賛

 だからこそオープン戦での投球は、今季の大谷に大きな期待を抱かせるに十分だった。それどころか、「大谷は(昨季より)さらに洗練されている」とまで言われている。この日の大谷はどの点が優れていたのか。"ピッチングニンジャ"の愛称で知られる投球分析家、ロブ・フリードマン氏に意見を求めた。

「速球はいい速度で、スライダーはしっかりと曲がり、スプリットは昨年同様にえげつない威力でした。今の段階でこの投球ということは、彼は(シーズン開幕に向けて)しっかりと前進しているということだと思います。今日の彼は昨季とよく似ていたようにも見えますが、制球力は昨季の序盤よりもはるかによかったです」

 同氏によれば、今の投手・大谷の完成度はすでに「シーズン中盤並み」のレベルにあるようだ。状態に対する不安がなくなったことで、注目は「今季の初登板はいつか」「開幕投手になるのか」に移っている。『MLB.com』は3月21日の記事で、大谷を先発の1番手と予想。前出のフリードマン氏も、「私なら大谷投手を開幕投手に選びます」と答えた。

 一方、21日付の『アスロン・スポーツ』は、エンゼルスに新加入したノア・シンダーガードを先発の1番手、大谷を2番手と予想している。2020年にトミー・ジョン手術を受けたシンダーガードは2年ぶりの復帰。復帰初年度のため不安視もされているが、今の状態はいいようだ。

 3月17日に行なわれた実戦形式の打撃練習「ライブBP」で、シンダーガードが打者・大谷に許したヒット性の当たりは全5スイング中1本。それ以外は左飛、空振り、二ゴロ、空振りに仕留めている。また、22日の実戦登板においても、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのマイナー相手ではあるが、3回で50球を投げて2安打1失点、5奪三振をマークしている。シンダーガードは地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』でも「速球は以前と同じような勢いが感じられる」と高い評価を受けている。

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