野茂や桑田も這い上がってきた険しい道。マイナー契約からメジャーデビューを掴み取った14人の男たち (3ページ目)
【歴代3位40歳でMLBデビュー】
彼らに共通するのは、少ないチャンスを確実にモノにしたこと。スプリングトレーニングにマイナー契約で参加しても、ほかのメジャー契約の選手との兼ね合いでMLBの開幕ロースター入りが難しいケースは少なくない。それでもクサらずにマイナーリーグで実直に汗を流したからこそ、巡ってきたチャンスでしっかり結果を残せたのだろう。
斎藤は開幕直後の主力クローザーの故障で3AからMLBに昇格すると、そこから好投を続けて1カ月後に正クローザーの座を掴み取る。2年目にはオールスターに出場するなど、7年間のMLB生活で338試合に登板した。
桑田はスプリングトレーニング中に右足首じん帯断裂のケガを負い、年齢を考えれば解雇されても不思議ではないなか、実直に練習に励む姿勢が買われて故障者リスト入り。ケガから復帰した6月に3Aでの登板を経て、ヤンキースタジアムでMLB初登板を果たした。
高橋健は最初に契約したトロント・ブルージェイズを開幕目前で解雇されたが、次に契約したメッツではマイナーリーグで好投を続けたことでMLB昇格。第二次世界大戦後で歴代3番目の高齢記録となる40歳でのMLBデビューとなった。
野手では、今季から中日の打撃コーチとなった中村紀洋は、2005年にマイナー契約でドジャースに入団した。開幕当初は3Aだったが、故障者との入れ替えでMLB昇格。17試合39打数5安打0本塁打で再びマイナー降格となり、シーズン終了まで3Aでプレーした。
川﨑宗則は「憧れのイチローさんと一緒にプレーしたい」の夢を実現すべく、2012年にFA宣言してマリナーズとマイナー契約。スプリングトレーニングで最高打率をマークしたことで、開幕MLBスタートを手にした。シーズン途中にイチローがニューヨーク・ヤンキースにトレードとなった翌年からはブルージェイズ、2016年からはシカゴ・カブスとマイナー契約を結んでMLBでプレーした。
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