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野茂や桑田も這い上がってきた険しい道。マイナー契約からメジャーデビューを掴み取った14人の男たち

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 独立リーグ所属の松田康甫(こうすけ)投手がMLBのロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ。金沢高時代は県大会ベスト8で甲子園出場は叶わず、拓殖大を経て2021年から茨城アストロプラネッツに入団したものの、登板はわずか3試合のみ。それでも150キロ超のストレートを投げ込むポテンシャルを買われての契約となった。

 そこで今回は、マイナーリーグが『ハンバーガーリーグ』と表現されたタフで過酷だった時代、厳しい競争を勝ち抜いてマイナー契約からMLBへ這い上がった14人の日本人選手を振り返ってみよう。

桑田真澄は39歳でマイナー契約からMLBデビューを掴んだ桑田真澄は39歳でマイナー契約からMLBデビューを掴んだこの記事に関連する写真を見る 日本人メジャーリーガーの第1号は村上雅則(サンフランシスコ・ジャイアンツ)だが、そこから31年後に登場した"パイオニア"もスタート地点はマイナー契約だった。野茂英雄は1994年オフに近鉄との契約交渉が難航して任意引退すると、翌年2月13日にドジャースと契約金200万ドル(当時のレートで約1億7000万円)、年俸980万円のマイナー契約を結んだ。

 1カ月遅れで開幕した1995年シーズン、野茂は5月2日のジャイアンツ戦でMLBデビュー。そこから奪三振の山を築いて"トルネード旋風"を巻き起こし、オールスターゲームにも先発する。前年の長期ストライキの影響で観客離れの著しかったMLBの窮地を救い、それまでMLBでは通用しないとされた日本人選手の評価を大きく高めた。

 日米に"NOMOマニア"が増殖した1995年は、マック鈴木もマイナー契約からMLBに這い上がっている。高校野球からドロップアウトしたマック鈴木は17歳だった1992年にアメリカに活路を求め、1994年にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結んだ。

 1995年に初めてMLB昇格した時は登板機会のないまま3A降格となったが、翌年7月7日には念願のMLBデビューを果たす。その後はカンザスシティ・ロイヤルズやミルウォーキー・ブルワーズなどを経て、日本球界でのプレーを希望したことを受けて2002年ドラフト2巡目でオリックスから指名され、2005年までNPBでも現役を続けた。

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元ドラ1の「未完の剛球王」もドジャースとマイナー契約

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