鈴木誠也は年俸17億円の価値あり。MLBが「右のスラッガー外野手」を欲するわけ (3ページ目)
【過去40年でMLB最低の数字】
メジャーは日本のプロ野球に比べて「三振かホームランか」というスラッガータイプが多いとはいえ、ホームランが多くて三振が少ないバッターは貴重です。これも鈴木選手の評価が高い理由でしょう。
また、メジャーのもうひとつの傾向として、近年の「投高打低」も見逃せません。今季は低反発球の影響により、全チームを合わせた平均打率は1972年以来最低の.244をマークしました。つまり、1973年にア・リーグが指名打者制を導入して以来、最低の数字だったのです。
2019年はメジャー史上最多の6776本塁打を記録しましたが、2021年は2年ぶりのフルシーズンでありながら5944本塁打と激減。近年はフライボール革命の影響によって機動力も影を潜め、過去40年間で最低の1試合平均0.46盗塁しか記録しませんでした。
つまり、メジャー全体的に攻撃力が低下しているのです。そのような傾向もあって、鈴木選手のような長打力があり、三振も少なく、さらに走れる右の外野手には高いニーズがあると言えます。
ロックアウトで交渉が停止する前に移籍先が決まったFA選手のうち、鈴木選手と同じ外野を守れる主なプレーヤーは以下のとおりです。
★スターリング・マルテ(33歳/オークランド・アスレチックス→ニューヨーク・メッツ)
→4年総額7800万ドル(約88億円)
★クリス・テイラー(31歳/ロサンゼルス・ドジャースと再契約)
→4年総額6000万ドル(約68億円)
★アビサイル・ガルシア(30歳/ミルウォーキー・ブルワーズ→マイアミ・マーリンズ)
→4年5300万ドル(約60億円)
★マーク・カナ(32歳/オークランド・アスレチックス→ニューヨーク・メッツ)
→2年総額2650万ドル(約30億円)
★コール・カルフーン(34歳/アリゾナ・ダイヤモンドバックス→テキサス・レンジャーズ)
→1年520万ドル(約6億円)
上記のうち、マルテ、テイラー、ガルシアの3人はFA市場で鈴木選手の前後にランキングされていました。したがって、彼らの契約年数や年俸総額から考察すると、鈴木選手も4年総額6000万ドル(約68億円/年俸17億円)ぐらいの価値は十分あると思います。
ロックアウト解除後、鈴木選手はどの球団と交渉し、どんな大型契約を結ぶことになるのか。一日も早くオーナー側と選手会が新労使協定を締結し、鈴木選手の移籍交渉が再開するのを待ちたいところです。
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