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現地記者が語る秋山翔吾、筒香嘉智の「合格ライン」。イチロー、松井の2年目とも比較 (2ページ目)

  • 澤良憲●取材・文 text by Sawa Yoshinori
  • photo by Kyodo News

 メジャー2年目のイチローは、打率を前年の.350から.321に若干落としている。1年目にして242安打を放って首位打者のタイトルも獲得しているのだから、相手チームから対策されて当然。それでもこの成績を収めたことはすばらしい。

 秋山の場合はどうだろう。前出のゴールドスミス記者は「今季はリードオフマンとして120試合、そのうちスタメンで100試合に出場すること。打率は最低でも265は期待したい」と語り、「出場機会を増やすには、簡単な話、より多く出塁できればいいわけです。特に左腕相手の時にですね。それが可能ならば毎試合出場もできるでしょう」と続けた。

 あらためてイチローの成績を見ると、1年目は対右投手の打率が.362、対左投手が.318だったのに対し、2年目は同.308、同.356と逆転。その年から5年連続で、対左打者のほうが打率は高かった。秋山の1年目も対右が.254で対左が.190だったが、左腕を攻略できるかどうかが、メジャーで長くリードオフマンを務めるための、ひとつのカギになりそうだ

 今季のオープン戦でヒットが出ず、状態を上げていきたかった秋山だったが、3月13日(現地時間:以下同)の試合で左太もも裏を負傷。数週間離脱することが決まり、開幕を故障者リスト入りして迎えることが報じられた。

『MLB.com』が掲載したレッズの開幕ロースター予想では、「外野手はニック・ カステラノス、ニック・センゼル、ジェシー・ウインカー、アリスティデス・アキーノ、スコット・ハイネマンの5人で開幕を迎えるだろう」と書かれている。離脱のため秋山の名前は載っていなかったが、復帰したあとにポジションが確約されているわけではない。2年目は成績を伸ばすだけでなく、激しいポジション争いの中でシーズンを過ごすことになりそうだ。

 一方、筒香は三塁、左翼、DHに加え、キャンプから練習を始めている一塁に就くとみられる。『MLB.com』のアダム・ベリー記者は、オープン戦で一塁の守備を難なくこなす筒香に「高い運動能力を感じる」と評価した。また、レイズ地元紙『タンパベイ・タイムズ』のマーク・トプキン記者も「シーズン序盤は多くの出場機会を得るでしょう」と予想する。

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