2021.03.29

投手・大谷翔平も今季は「ヤバイ」。斎藤隆が見た明らかな変化、超一流の証

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

 メジャーリーグで4年目を迎える大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が、4月1日(日本時間2日)の開幕を前に絶好調だ。

 打席に立てば特大ホームランをかっ飛ばし、マウンドでは101.9マイル(約164キロ)を記録。3月21日に行なわれたサンディエゴ・パドレスとのオープン戦では「1番・投手」で先発出場するなど、二刀流への期待が膨らんでいる。

今季から再び二刀流を復活させる大谷翔平「どちらかと言えば打つほうに注目が集まっていますが、投げるほうも覚醒気味です。個人的にはバッターをやめさせて、ピッチャーで1年間見てみたいくらい、すごい球を投げ出しました」

 そう語るのは、自身もメジャーで7年間プレーし、現役引退後にパドレスでアドバイザーを務めた斎藤隆氏だ。

 日本ハム時代から最速165キロのフォーシームや、鋭く変化するスライダー、フォークなどで打者を圧倒してきた大谷だが、斎藤氏は明らかな"変化"を感じるという。

「日本ハムのころもすごかったけど、まだ淡白さがありました。それが今年のオープン戦を見たら、フォームのなかでグッと"割り"ができるようになり、安定感がすごいです」

"割り"を簡単に説明すれば、下半身から生み出した力を上半身に効果的に伝えるための動作だ。前足を踏み込んでグラウンドに着く瞬間、上半身が開かずに軸足に体重が残って"割り"ができることで、より多くの力を伝達しやすいとされる。

 この投球メカニクスについて、斎藤氏が解説する。

「無理矢理、割りの時間を長くすると、お尻が落ちたり、それを支えるために頭を前に出したりとなるんです。大谷の状態が悪い時には、投げにいった際に右ひざが下を向いて、上体を前に押すか、慌てて左足をかくか、みたいになる。今は右ひざがグッと割れているので、自分が投げたい時に一気に力を合わせられます。だから、ボールを自在に操れると思います」

 大谷は日本ハム時代、豪快なフォームからうねりを上げるような速球を投げ込んだ。彼に限らず、プロに入りたての若手投手や10代の甲子園球児が、躍動感あふれるフォームから力強い球を投げ込むことは昨今決して珍しくない。