レッドソックス澤村拓一「気持ちが空回りしていた」。オープン戦序盤は不調も昇り調子へ
2021年も球春到来――。過去に松坂大輔、上原浩治、田澤純一、岡島秀樹など、多くの日本人投手が成功を収めてきたレッドソックスの一員として、今年もひとりのピッチャーがデビューする。日本通算48勝、75セーブの実績をひっさげて海を渡った澤村拓一だ。
オープン戦で調子を上げてMLB開幕を迎えるレッドソックスの澤村 オープン戦での成績は、リリーフとして5試合に登板し、防御率は3.86。最初の2度の登板では制球が定まらず、2戦連続で押し出し四球を献上して不安視されることもあった。それでも徐々に適応していき、以降の3登板では合計3回1/3で1安打無失点3奪三振と結果を出した。
「完璧ではないですけど、しっかりとしたボールが投げられていますし、バッターと勝負できていると感じてはいます」
オープン戦最後の登板となった現地時間3月27日のパイレーツ戦で、1イニングをきっちり抑えたあとの澤村の表情からも手応えは感じられた。
3月24日のオリオールズ戦ではイニングをまたいでの登板で好投。26日(試合形式のシート打撃)、27日はメジャーでは初めての連投もこなし、4月1日(日本時間4月2日の朝)の開幕を迎える準備が整ったと言えるだろう。
「ボールや環境にも自然と慣れていけばいいんですが、ずっと『慣れなきゃいけない、こうしなきゃいけない』という気持ちが空回りしていました」
オープン戦当初の不調について、澤村はそう振り返った。新型コロナウイルス感染防止策などでチーム合流が3月2日まで遅れ、「早く馴染まなければいけない。結果を出さなければ」という焦りがあったのだろう。しかし、そんな自分を見つめ直し、立て直してみせた澤村にはアメリカでの成功に必要な"たくましさ"を感じる。
2018年は圧倒的な強さでワールドシリーズを制したレッドソックスだが、直近2年はプレーオフ進出を逃すなど苦戦している。特に多くの主力が移籍、故障した昨季は、24勝36敗というどん底を味わった。
1 / 3