大谷翔平、投手活躍のカギは球種か。
注目すべき2年前との割合の違い (2ページ目)
ただ、今年はトミー・ジョン手術からの復活を目指すシーズンであるため、マドン監督は登板間隔や球数だけでなく、スピードガンで表示される球速にも細心の注意を払うことでしょう。米国の専門家たちの研究結果によると、肩やひじを痛める最大の要因は「剛速球」だと考えられているからです。
それで思い出すのは、シカゴ・ホワイトソックスの若き剛腕マイケル・コペックです。2018年、大谷投手と同じ年にデビューし、ほぼ同時期の9月にトミー・ジョン手術を受けました。
今年3月にオープン戦で復帰。そこでいきなり100マイル(約161キロ)以上の剛速球を連発しました。しかし、2次キャンプを前に「個人的な事情」により今季出場辞退を決断。ケガの再発かどうかの真相は明らかになっていませんが、こうした事例を考えるとマドン監督は神経を使いそうです。
大谷投手が2度目の紅白戦に登板した時、ストレートの球速は94〜96マイル(約151〜154キロ)でした。それが本番でどれくらいのスピードになっているのか、初登板のピッチングに注目です。
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その剛速球に加えて、注視している球種がもうひとつあります。それはスプリットです。
日本ハム時代の大谷投手は「速球とスライダー」という印象でした。しかし、2018年のメジャーデビュー戦では全92球のうち、速球が40球(全体の43.5%)、スライダーが26球(28.3%)だったのに対し、スプリットは23球(25%)も投げていました。
また、4月8日のアスレチックス戦で7回一死までパーフェクトの快投を演じた時は、その傾向がさらに強まっています。全91球のうち速球は42球(46.2%)で、それに次ぐのがスプリットの34球(37.4%)でした。
アメリカでは「スプリットはひじに負担がかかる」と言われ、多投する投手はあまりいません。スプリットとひじの故障との因果関係は立証されていませんが、それでも、トミー・ジョン手術後にスプリットの割合を減らす投手が少なくないのも事実です。
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