田中将大、大投手から新球をゲット。7年目の集大成へ成功のカギは2つ (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 2014年にヤンキースに移籍して以来、田中投手は一発を浴びることが多く、2017年はア・リーグで3番目に多い35本のホームランを喫しました。また、昨年は自身2番目に多い95失点を記録し、そのうち47失点がホームランによるものです。

 不振に陥った原因のひとつは、昨年メジャーで取り沙汰された「飛ぶボール疑惑」も関係しているでしょう。

 2019年のメジャーリーグは、前年より21%も多い6776本塁打を記録しました。この数字はMLB史上、最も多いホームラン数です。

 公式球の変化について、メジャーリーグ機構は一貫して否定しています。しかし、前年に比べてボールの縫い目が低くなり、その結果、空気抵抗が減って飛びやすくなったという声は、メディアだけでなく多くの選手からも挙がっています。

 ボールの変化は、田中投手の最大の武器であるスプリットにも悪影響を及ぼしました。スプリットは東北楽天ゴールデンイーグルス時代からの決め球です。ところが昨年、スプリットによる奪三振率はわずか13.6%。ヤンキース1年目の44.6%と比べると、数値を大きく落としています。

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