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大谷翔平へ、ジョニー黒木からの伝言。
「男の生き様を見せてくれ」 (6ページ目)

  • 田中将介●文 text by Tanaka Masayuki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 それは、日本一を目指して一丸となるチームメイトへの、大谷なりの配慮だったのかもしれない。だからこそ「メジャーへの準備が足りないのでは?」という声もあがる。しかし黒木はその意見を否定する。

「準備なんて、本人にしかわかり得ないことであって、人の物差しで計ることではない。本人がどこを目指すかというのが一番大事」

 そんな黒木が大谷に期待するものは何なのか。

「二度と大谷翔平みたいな選手は出てこないと思われる選手になってほしい。記録にも記憶にも残る伝説の選手。わかりやすいタイトルでいえば、サイ・ヤング賞。160キロを投げるピッチャーは何年後かにきっと出てきますから」

 普段は滅多に口を出さなかった黒木だが、唯一、大谷に力を込めて伝えたことがある。

「男になれ! ファンや子どもたちに見られていることを意識して、すべてのことに取り組んでほしい。僕たちができなかったことをお前に夢として託しているという意味を込めて。本人に響いているかはわからないけど(笑)。男の生き様が見たい」

 黒木は、はにかんだ顔でそう言った。

 大谷が選んだチームは、ロサンゼルス・エンゼルスだった。しかし、チームがどこであろうと、大谷が目指す頂上は変わらない。

 ファイターズで過ごした5年間は、単なる通過点ではなかった。世は「二刀流」で大谷をもてはやし、専門家は「中途半端になる」と懸念した。しかし、大谷は、人のせいにすることなく、自分で道を切り開いてきた。

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