大谷翔平へ、ジョニー黒木からの伝言。「男の生き様を見せてくれ」 (4ページ目)

  • 田中将介●文 text by Tanaka Masayuki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

「大谷はスピードボールにこだわりを持っている。けれど、あいつの感覚はあいつにしかわからない。僕にはできなかった3つのことを彼は追い求めることができる。その夢を託したい」

 強さのあるボールをより高い確率で投げるために何をすべきなのか、大谷本人はわかっていた。

「僕らが見えてないところで相当努力していますよ。体にはっきりと出ていましたから」

大谷は、「2つのポジションで世界一の選手になる」という目標に向かって一直線に進んでいった。

「前進、後退関係なく、人一倍練習するという意識は揺るがなかった。ファイターズに入ったことは運命かもしれないけれど、入ったから、特別に夢に向かって頑張ろうと思ったわけではない。小さい頃から、明確な目標に向かって走ってきた。わかりやすく言うと、野球小僧。野球が大好きで仕方がない」

 2017年シーズンの大谷を見ていて、ファンが心配していることは体のことだろう。

「手術後、復帰に向けて少しずつやっている。肉離れの患部も良くなってきている」

 黒木が「まずは身体のメンテナンス」と言葉に力を込めるのは、自身の経験が大きい。黒木は、小さい頃からどれだけ投げても、肩の痛みとは無縁だった。プロ野球の世界に入っても黒木は投げ続けた。しかし、右足首痛を皮切りに、左膝、右足肉離れ、そしてついに右肩へ。医師の診断は「右腱板部分断裂」。車のハンドルも握れなかった。

「下半身の故障が一番怖い」と黒木は話す。

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