大谷翔平へ、ジョニー黒木からの伝言。
「男の生き様を見せてくれ」 (5ページ目)
まさに大谷は今年、右足首を手術した。大谷は黒木と同じ道を歩むおそれはないのだろうか。将来のことはわからないが、黒木は「大丈夫だ」と太鼓判を押す。
「僕は現役のとき、『痛い』と声を上げることができなかった。今はそうならないように周りがサポートするようにしている。ピッチングフォームを見たら、疲れているかわかりますから」
長く活躍できる選手でいること。それが大谷の願いでもある。だからこそ、大きな故障をしないための準備、環境作りが必要なのだ。大谷は、大きな故障をすることなく日本で5年間やりきった。
「正直、安堵の気持ちはあります(笑)」
黒木はそう答える一方で、心残りがあるという。
「メジャーを想定した起用はできなかった。そういった意味で準備をさせてあげられなかった」
メジャーリーグの試合数は日本に比べて多い。(NPBはレギュラーシーズン143試合制。MLBは162試合制)。ベンチ入りできるのは、投手、野手合わせて25人。中6日で投げていた日本とは違い、中5日、中4日の登板が基本だ。
「もしいいパフォーマンスを出せたとしても、その後のリカバリーができてない状態で試合に出続けるのは肉体的にも精神的にも負担になる」
それでも黒木は言う。
「適応する力は十分にある」
5年間を振り返って、黒木が大谷に驚かされたことがある。
「入団してから、ひと言も『メジャー』という言葉を彼の口から聞いたことがありません。一貫してチームのため。だから僕は大谷を人として信用している」
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