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古巣ボストンの歓迎にもクール。
上原浩治が栄光を振り返るにはまだ早い (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 前年の最下位から大躍進し、しかもボストンマラソン爆破事件の後に劇的な優勝を遂げた2013年のレッドソックス。当時のチームの思い出は、もともとスポーツに熱狂的な街の人々の心の中で燦然(さんぜん)と輝き続けている。そして、ワールドシリーズMVPに輝いたオルティスらと共に、奇跡的な秋の立役者となった上原の記憶が色褪せることはあるまい。

 とはいえ、それだけ「元・地元」の人々からリスペクトされながら、29日の試合前の上原は淡々としていた。

「懐かしいと言われても、(カブスに移籍したのは)去年ですからね。5年、6年前とかだったら懐かしいと思いますけど、今はそういう想いはないです。知っているメンバーばかりなので、それはちょっと投げにくい。でも、試合になれば敵ですから。(マウンドは)どこの球場も似たようなもんなんで」

 その言葉通り、初の凱旋登板となった29日には古巣の強力打線を3者凡退に抑えた。渡米以降の9年間で4チームを渡り歩いた大ベテラン。可能な限り感情を抑え、仕事に徹しなければいけないという想いもあったのだろう。

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