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古巣ボストンの歓迎にもクール。
上原浩治が栄光を振り返るにはまだ早い (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 2013年の上原は、シーズン中に4勝1敗21セーブ、防御率1.09という圧倒的な数字をマーク。特にWHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)は0.57で、1990年のデニス・エカーズリー(アスレチックス)の0.61、昨季にクレイグ・キンブレル(レッドソックス)が残した0.65(60イニング以上投げた投手に限る)を上回るメジャー史上1位の記録だ。

 その快進撃はポストシーズンでも続いていく。プレーオフを通じて13試合に登板して合計7セーブを挙げ、自責点は「1」のみで防御率は驚異の0.66。ワールドシリーズでも6戦中5戦に登板し、レッドソックスの絶対的なクローザーとして君臨し続けた。

「(2011年オフに)ジョナサン・パペルボンが移籍し、クローザーが不在になったところで、どこからともなく現れたのが上原だった。あれほどの活躍は誰も予想していなかった。上原は多くのセーブを挙げて、文字通り、チームを救って(Save)くれた。デビッド・オルティスなど打線も素晴らしかったが、ブルペンの要になった上原がいなかったら、あの年の世界一はあり得なかっただろう」

 28日のカブス戦で、フェンウェイ・パークを訪れた30代のレッドソックスファンは目を輝かせながらそう話してくれた。

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