奮闘する前田健太に援軍。
ドジャース大幅補強で逆転優勝なるか (5ページ目)
対する1ゲーム差で追いかける西地区2位のロサンゼルス・ドジャースは、8月1日にオークランド・アスレチックスからジョシュ・レディック(打率.278・8本塁打・28打点)という外野手と、先発左腕のリッチ・ヒル(9勝3敗・防御率2.25)を同時に獲得しました。
レディックを獲得したのは、今シーズン不振にあぐねているヤシエル・プイグの穴埋めです。このトレードが発表されたと同時に、プイグはマイナー降格となりました。今シーズンのレディックは自己最多の打率・OPS(.766)をマークしており、新たな左のスラッガーとして期待されています。
一方のヒル獲得の背景にあるのは、クレイトン・カーショウを含めた先発投手陣の相次ぐ故障です。前田健太投手が孤軍奮闘していますが、先発ローテーションの駒不足は否めません。カーショウの復帰が未定のなか、同じ左腕として素晴らしい成績を残しているヒルの存在は大きいでしょう。
例年にない選手の大移動となったトレード期限が終了し、ナ・リーグでもっとも補強で成功を収めたのはドジャースだと思います。ジャイアンツとのゲーム差も縮まってきたので、西地区はさらに面白くなってきました。両者の直接対決は残り9試合あり、そのうちレギュラーシーズン最後の2週間で6試合も行なわれます。最後の最後でドジャースが逆転優勝する可能性も大いにあるでしょう。前田投手も初のポストシーズン進出となるかもしれないので、西地区の激戦から目が離せません。
※数字は8月7日現在
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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