奮闘する前田健太に援軍。ドジャース大幅補強で逆転優勝なるか

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

今夏のトレードで補強に成功したチーム@ナ・リーグ編

 今年の夏はかつてないほどトレードが成立し、多くのメジャーリーガーが球団を行き交いました。そのトレード期限を有効活用し、ア・リーグでもっとも成功を収めたのは西地区のテキサス・レンジャーズだと言われています。一方、ナ・リーグのチームで戦力補強に成功したチームはどこなのでしょうか。

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今季10勝目をマークしてドジャースを牽引する前田健太今季10勝目をマークしてドジャースを牽引する前田健太 まず、ナ・リーグの東地区から見てみると、ワシントン・ナショナルズが効果的なトレードを行なったと思います。7月30日、ピッツバーグ・パイレーツからクローザーのマーク・メランソン(1勝1敗31セーブ・防御率1.38)を獲得しました。メランソンは昨年ナ・リーグ最多51セーブをマークし、パイレーツの3年連続ワイルドカードゲーム進出に大きく貢献した守護神です。

 今シーズンのナショナルズは開幕から投打が噛み合い、東地区で独走態勢を築きました。しかしながら、夏場に入ってチームの中心選手であるクローザーのジョナサン・パペルボンがまさかの大スランプ。10年連続20セーブ以上をマークし続けてきたベテランが不調になったことで、この夏のトレード期間で彼の穴埋めを図ることが何よりも急務だったのです。

 昨シーズンは地区優勝の筆頭に挙げられながら、東地区2位に終わってポストシーズン進出を逃したナショナルズ。今シーズンは地区優勝のみならず、球団初のリーグ制覇も狙っています。リーグ屈指のクローザーを獲得したのは、長いポストシーズンも視野に入れてのことでしょう。

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著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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