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MLB戦力補強分析。
オフの「勝ち組」「負け組」・ナ・リーグ編 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 近年のジャイアンツは、偶数年にワールドチャンピオンになっています。2010年、2012年、2014年。そして今年、2016年は偶数年ということで、地元サンフランシスコは大いに盛り上がっています。

 一方、オフの補強で失敗が目立っていたのは、東地区のワシントン・ナショナルズだと思います。ナショナルズは4年連続ふたケタ勝利を挙げているジョーダン・ジマーマン(現デトロイト・タイガース)と、前出のデナード・スパンをFAで失いました。さらにキャンプ中には、打線の主軸を担っていたイアン・デズモンドもテキサス・レンジャーズに奪われ、一気に戦力をダウンさせているのです。

 さらに大物FA選手の獲得競争でも、ジェイソン・ヘイワードをカブスに奪われ、ヨエニス・セスペデスもニューヨーク・メッツと再契約と、ことごとく失敗しています。また、昨年までサンディエゴ・パドレスを率いていたバド・ブラックを新監督に迎え入れようとしましたが、これも合意に至らず白紙に......。結局、ナショナルズが獲得できた主な選手は、昨年のポストシーズンで7本塁打をマークして話題となった前メッツのダニエル・マーフィーぐらい。このオフの補強は、すべて後手に回った印象です。

 ただ、ナショナルズが「負け組」といっても、今シーズンの優勝争いから早くも脱落した、というわけではありません。先発には2013年サイ・ヤング賞投手のマックス・シャーザーと、2014年に奪三振王に輝いた豪腕スティーブン・ストラスバーグという「リーグ最高の2枚看板」がおり、野手にはいまやメジャーナンバー1の若手スターであるブライス・ハーパーもいます。オフの補強はイマイチでしたが、シーズン開幕後の巻き返しに期待したいです。

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