MLB戦力補強分析。オフの「勝ち組」「負け組」・ナ・リーグ編
ナ・リーグの本命はカブス。川﨑宗則に世界一のチャンスあり
今シーズンのメジャーリーグ開幕まで残り2週間となり、オープン戦の結果が日本でも連日報じられています。オフの補強とキャンプを経て、どのくらい各チームの戦力がアップしているのか、ファンは開幕まで待ち遠しい日々を過ごしていることでしょう。前回のコラムではア・リーグの戦力補強について紹介したので、今回はナ・リーグのなかからオフの補強で成功したチーム、イマイチだったチームを取り上げたいと思います。
川﨑宗則がロスター入りを目指すシカゴ・カブスは今季の優勝候補 まずナ・リーグで、このオフにもっとも効果的な補強を成功させたのは、間違いなく中地区のシカゴ・カブスでしょう。カブスは同じ中地区でライバル関係にあるセントルイス・カージナルスから、ふたりの選手をFAで獲得しました。ひとりは、2002年のアナハイム(現ロサンゼルス・)エンゼルス時代と2013年のボストン・レッドソックス時代に世界一を経験した大ベテラン、37歳右腕のジョン・ラッキー。そしてもうひとりは、抜群の身体能力を誇る若きスター候補、26歳のジェイソン・ヘイワードです。
今年でプロ15年目となるラッキーですが、衰える気配はまったくありません。昨シーズンも自身6度目となるシーズン200イニング以上を投げ、13勝10敗・防御率2.77という好成績をマーク。2年総額3200万ドル(約35億7000万円)で契約したことにより、昨年22勝6敗でサイ・ヤング賞を受賞したジェイク・アリエッタ、メジャー通算127勝を誇るエースのジョン・レスターに次ぐ3番手として、ベテランのラッキーを起用することができます。今年のカブスの先発3本柱は、ナ・リーグ屈指と言えるでしょう。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)