通算3000本安打と並ぶ偉大な記録。
イチローあと「25」で歴代7位
2016年メジャーリーグ「見逃せない注目10ポイント」@前編
いよいよ4月3日、2016年シーズンのメジャーリーグが開幕します。楽しみはいろいろあるのですが、今回はそのなかから厳選して、「今年ならではの注目ポイント」を10個、ピックアップしてみました。
偉大なる記録にまた一歩、近づこうとしているイチロー【1】 シカゴ・カブス、108年ぶりの世界一なるか?
アメリカ唯一の全国紙『USAトゥディ』が各チームの戦力を分析し、昨年ナ・リーグ中地区で3位となったシカゴ・カブスの今シーズンのレギュラーシーズン成績を「101勝61敗」と予想しました。100勝以上を挙げると予想されたチームは、メジャー30球団のなかでカブスのみ。「優勝候補の最有力」として開幕前から非常に高く評価されています。
ジョー・マドン新監督のもと再出発した昨シーズンのカブスは、ワイルドカードで7年ぶりにプレーオフに進出(※)。若手の活躍によって、リーグチャンピオンシップシリーズまで駒を進めました。そして今シーズンは、断トツで「中地区1位」と予想されています。1945年以来のワールドシリーズなるか、そして1908年以来の世界一なるか――。アメリカでは今、カブスの話題で持ちきりです。
※昨年はナ・リーグ中地区3位ながらメジャーで3番目に高い勝率.599(97勝65敗)を挙げ、ワールドカードゲームでは中地区2位のピッツバーグ・パイレーツに勝利してディビジョンシリーズに進出。
「地区優勝は間違いない」と言われている今シーズン、問題はプレーオフでの戦いでしょう。というのも、カブスには「悪魔のような歴史」がつきまとっているからです。1945年のワールドシリーズではデトロイト・タイガースに3勝4敗で逆転負けを喫したことから「ヤギの呪い(※)」と呼ばれるようになり、2003年のリーグチャンピオンシップリシリーズではファウルボールを補強しようとしたファンの妨害が一因となってワールドシリーズ進出を逃し、「ヤギの呪いだ」と言われました。
※ヤギの呪い=1945年のワールドシリーズで、タイガース相手に2勝1敗で迎えた第4戦。カブスのファンが飼っているヤギを連れて観戦しようとしたところ入場を拒否され、怒ったファンが「2度とリグレー・フィールドでワールドシリーズが開催されることはないだろう」と言って球場をあとにした。その後、カブスは長い低迷期を迎えることになった。
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著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)