通算3000本安打と並ぶ偉大な記録。イチローあと「25」で歴代7位 (5ページ目)
【5】 新たなスター誕生の予感。2012年以来の「30・30」達成なるか?
1980年代後半以降、パワーとスピードを兼ね備えたメジャーリーガーがもてはやされるようになり、「30本塁打・30盗塁」をマークする選手が激増しました。1988年にはホセ・カンセコが「40本塁打・40盗塁」を樹立し、1997年にはバリー・ボンズが史上最多タイの5回目の「30・30」を記録しています。
2000年代に入っても毎年のように達成者は誕生しましたが、2012年のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)とライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ)以来、ここ3年間は誰もマークしていません。そんななか、昨年デビューしたルーキーに「30・30」の期待が寄せられているのです。
その新人とは、ヒューストン・アストロズのカルロス・コレア。2012年、プエルトリコ出身選手として史上初のドラフト全体1位で入団したスーパーエリート遊撃手です。コレアは昨年6月、弱冠20歳でメジャーデビューを果たすと、99試合で打率.279・22本塁打・68打点・14盗塁をマーク。プレーオフでも2本のホームランを放ち、ア・リーグ新人王に選ばれるなど、華々しくデビューイヤーを飾りました。
関係者の間では早くも、「メジャー現役最高のショートストップ」という評判が広がっています。高校からドラフト全体1位でプロ入りし、パワーとスピードを兼ね備えた右打ちで、193センチの長身を誇る大型ショート――。まさに、「A・ロッドの再来」です。メジャーでだんだん減ってきた「30本塁打・30盗塁」を次に成し遂げるのはコレアだ、と言われています。トラウトやブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)に続いてブレイクしそうな若手スーパースターの誕生に、ぜひとも注目してください。
プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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