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今季ナンバー1の出世頭。カブスの29歳右腕に全米騒然! (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 そんな矢先、アリエッタに思いがけない話が舞い込んできたのです。「7月2日、カブスへトレード」。アリエッタにとって、それが最大の転機となりました。カブスに移籍した彼は、ピッチングコーチのクリス・ボジオにマンツーマンで指導を受け、投球スタイルをイチから見直すことにしたのです。

 先発投手として中4日の調整方法や、対戦するバッターの分析など、アリエッタはさまざまな角度からピッチャーとしてのありようを勉強し直しました。スカウティングレポートをしっかりとチェックし、たとえば初球の被打率が悪いと知ると、それを克服するために研究を重ね、それに応じて投球スタイルも変えたのです。

 オリオールズ時代のアリエッタは、ストレート(フォーシーム)とシンカー主体のピッチングでした。ただ、被本塁打が多く、制球難でも苦しんでいたのです。しかし、カブス移籍後はシンカーとスライダーをメインにしたピッチングに変更。その結果、初球からストライクを多く取れるようになり、相手バッターから空振りを奪えるようにもなりました。

 また、バットの芯を外す投球術を身につけたことで、ホームランを打たれる数も激減。前述した19試合連続クオリティスタートのなかで、打たれたホームランは2本だけ。ホームランの出やすいリグレー・フィールドを本拠地とするカブス投手陣において、この数字は驚愕です。

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