ディビジョンシリーズ開幕。ア・リーグ覇者ロイヤルズを倒すのはどこだ?
【MLBプレーオフ2015】ディビジョンシリーズ展望@ア・リーグ編
10月8日(日本時間10月9日)、いよいよア・リーグのディビジョンシリーズが開幕します。今シーズンのア・リーグは、開幕前に予想していなかったチームばかりが地区優勝を遂げ、昨シーズンの地区優勝チームはいずれもプレーオフ進出を逃しました。ではさっそく、ディビジョンシリーズで対戦するカードの見どころを紹介しましょう。
大ブレイクを果たしたア・リーグMVP候補のジョシュ・ドナルドソン まずひとつ目は、ア・リーグ東地区を制したトロント・ブルージェイズと、西地区覇者のテキサス・レンジャーズの対戦です。これはまさに、「打力対決」と呼ぶにふわさしいカードでしょう。
今シーズンのブルージェイズはメジャー最多の891得点・232本塁打をマークするなど、メジャーナンバー1の攻撃力を擁しているチームです。2番のジョシュ・ドナルドソン、3番のホセ・バティスタ、4番のエドウィン・エンカーナシオンは全員、「30本塁打・100打点」の大台をクリア。その豪快なスイングの勢いは止まることなく、8月以降(計61試合)でも3人合計で55本塁打をマークしています。
なかでも注目は、ア・リーグのMVP候補に挙がっているドナルドソンでしょう。レギュラーシーズンではア・リーグ3位タイの41本塁打を放ち、123打点で自身初の打点王にも輝きました。プレーオフでどれだけ威力を発揮するのか、大いに注目です。
しかしながら、ブルージェイズの強みはバッティングだけではありません。チームを地区優勝に導いたもうひとりの立役者は、エースのデビッド・プライスです。7月30日にデトロイト・タイガースからトレード期限前に加入するやいなや、移籍後は11試合の先発で9勝1敗・防御率2.30をマーク。圧倒的な存在感でブルージェイズの絶対的エースとなりました。今シーズンの2球団合計での成績は18勝5敗・防御率2.45で、自身2度目となる最優秀防御率のタイトルを獲得しています。
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プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)