ツーシーム、バックドア...。今メジャーリーグで話題の球種は? (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by AFLO

 メジャーではボールの握り方によって、様々な名称が付けられています。例えば、「スパイク・スライダー(spike slider)」というのは、人差し指と中指を折り曲げ、爪をボールの縫い目に押し当てる独特の握り方をします。ストレートの軌道から鋭くスライドする動きが特徴で、ニューヨーク・ヤンキース時代に「マリアノ・リベラの後継者」と言われ、現在はシカゴ・ホワイトソックスでクローザーを務めているデビッド・ロバートソンが使い手として有名です。

 他にもスライダー系では、「カッター・スライダー(cutter slider)」と呼ばれる球種が多く登場するようになってきました。文字通り、カッター(カット・ファストボール)のような鋭い動きでスライドする球種ですが、通常のスライダーと大きな違いがあるかと言えば微妙です。ただ、デトロイト・タイガースでクローザーを務めているホアキム・ソリアや、ミネソタ・ツインズで先発陣の一角を担っているリッキー・ノラスコが投じるスライダーは、カッター・スライダーと呼ばれています。

 ただ、メジャーの数ある球種の中で、最もバリエーションに富んでいるのはカーブだと思います。まず最初に紹介したいのは、「ナックル・カーブ(knuckle curve)」です。1970年代、当時ロサンゼルス・ドジャースで活躍したバート・フートンという先発投手が投げることで有名になりました。その後、1990年代から2000年代にかけてナックル・カーブの使い手として活躍したのは、ボルチモア・オリオールズとヤンキースで通算270勝をマークしたマイク・ムシーナです。現在では、2008年に奪三振王に輝いたピッツバーグ・パイレーツのエース、A.J.バーネットが決め球としてナックル・カーブを使っています。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る