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8年ぶりの日米野球。このメジャーリーガーは必見だ! (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu photo by Getty Images

 また、今回の日米野球には、ちょっとした異色選手も来日しています。それは、ヒューストン・アストロズのホセ・アルトゥーベ(24歳)と、タンパベイ・レイズのエバン・ロンゴリア(29歳)です。アルトゥーベはご存知の方も多いかもしれませんが、現役選手の中で最も身長の低いメジャーリーガー。登録上の身長は5フィート6インチ(約167.6センチ)ですが、実際はもっと低いと思います。しかし、今シーズンは首位打者(打率.341)、最多安打(225本)、それに盗塁王(56個)と、3つのタイトルを獲得しました。この3部門を同時に制覇したのは、2001年のイチロー選手(当時マリナーズ)以来の快挙。まさに2014年シーズンのメジャーを象徴する選手です。

 日米野球でアルトゥーベが打席に立つと、侍ジャパンの選手より小さいので、ビックリするのではないでしょうか。年々身体の大きなメジャーリーガーが増えてくる中、アルトゥーベはまるでバットボーイのような小ささです。しかし、メジャー屈指のバットコントロールと走塁で、観客の度肝を抜いてくれることだと思います。「右のイチロー」という異名に違(たが)わぬプレイを披露してくれることでしょう。

 一方、レイズのロンゴリアは、まさに「アメリカンヒーロー」を地で行っているようなメジャーリーガーです。カリフォルニア州ダウニーで生まれたロンゴリアは、学生時代からすでに地元の有名人で、2006年のドラフト1巡目全体3位でレイズに入団。そして2008年にメジャーデビューを果たすと、強打の三塁手としてポジションをがっちりと掴み、ア・リーグ新人王を獲得しました。さらに、2009年と2010年には2年連続でゴールドグラブ賞も受賞し、背番号は少年時代に憧れたアレックス・ロドリゲス(現ニューヨーク・ヤンキース)と同じ「3番」。今やレイズに欠かせないフランチャイズプレイヤーにまで成長し、まさに日本の長嶋茂雄氏のような存在です。

 ホームでの試合前には必ずロッカールームにあるドラムを叩き、趣味ではクラシックカーを集め、婚約中の彼女はNFLマイアミ・ドルフィンズの元チアリーダー。これほどスターの王道をまっすぐ歩んでいる選手も少ないでしょう。攻守ともに華のあるプレイヤーなので、ロンゴリアの一挙手一投足にもぜひ注目してください。

 そして今回、来日したメンバーの中で個人的にイチオシしたいのが、カンザスシティ・ロイヤルズのふたり――キャッチャーのサルバドール・ペレス(24歳)と、ショートのアルシデス・エスコバー(27歳)です。このふたりのウリであるメジャー屈指の守備は、決して見逃してはいけません。

 まずペレスは、まだ24歳という若さながら2年続けてゴールドグラブ賞に輝くなど、すでにメジャーを代表するベネズエラ出身のキャッチャーです。「現役最高の捕手」と称されるヤディアー・モリーナ(セントルイス・カージナルス)の跡を引き継ぐのは、間違いなくペレスでしょう。2006年に16歳でプロ入りした当初から、当時のスカウト陣はこぞって「ベネズエラのジョニー・ベンチ」と大絶賛していました。ジョニー・ベンチとは、1970年代のシンシナティ・レッズ黄金時代を支えたメジャー史上最高のキャッチャーです。それほどの逸材が、今回の日米野球で来日しているのです。

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