ヤンキースの救世主は、田中将大と「無名のテスト入団生」 (2ページ目)
また、ソラーテのすごさは守備だけではありません。開幕からヤンキースの強力打線を牽引し、現在打率.306・9本塁打・25打点をマークしています。ジョー・ジラルディ監督は、「これほどの活躍はまったく予測できなかった」と大絶賛。攻守ともに大暴れしており、ヤンキースファンを大いに喜ばせています。ヤンキースにとって「投」の救世主が田中投手なら、「打」の救世主はソラーテで間違いないでしょう。
続いて紹介したいニューカマーは、ア・リーグ中地区のツインズに所属するクリス・コラベロという一塁手です。現在30歳のコラベロは、メジャーにやってくるまで数々の苦労を重ねてきました。独立リーグで7年間プレイし、2012年にツインズと念願のメジャー契約。ただし、その年もダブルAでの出場のみに留まりました。2013年は第3回ワールド・ベースボール・クラシックのイタリア代表に選ばれ、さらに5月22日にはメジャーデビュー。ようやく日の目を見るかと思いきや、打率.194と低迷してほとんど活躍できませんでした。
そんな折、コラベロは韓国のプロ野球界から年俸100万ドル(約1億200万円)の高額オファーを受けることになります。結果の残せないコラベロとしては、非常に魅力的なオファーだったことでしょう。しかし、コラベロはメジャーでの成功を信じ、韓国行きを断ってツインズに残留することを決めたのでした。
そのコラベロの決断は、見事に実を結びます。2014年、ツインズの開幕メンバーに選ばれると、いきなり第1週(3月31日~4月6日)に大暴れ。リーグトップの11打点を叩き出し、ロサンゼルス・エンゼルスのジョシュ・ハミルトンとともにア・リーグ週間MVPに選ばれたのです。その後もコラベロは打ち続け、18試合で打率.353、出塁率.397という好成績を残しました。
5月に入って成績は下がりつつありますが、今シーズン序盤の最大のサクセスストーリーといえば、間違いなくコラベロの大ブレイクです。彼の活躍によって、近年低迷していたツインズはア・リーグ中地区で現在3位をキープ。コラベロの存在なくして今シーズンのツインズの躍進は語れません。
2 / 3