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ヤンキースは「ピンストライプの誇り」を取り戻せるか? (2ページ目)

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by Getty Images

 すべきことをした上での結果ならまだしも、常勝軍団を口にしながら信じがたい野球で試合を落とす。これはほんの一例に過ぎない。これが今季のヤンキースなのである。

 主力選手のケガが相次ぎ、控え選手がラインナップに名を連ねるだけでなく、マイナーから昇格させた選手が同時に3人も出場したことがあった。だが、主力でも実践できなかったことは多い。イチローは、「技術レベル以外の何かが確実に存在する」と語っていた。

 つまり、主力だろうと控えだろうと関係ない。試合をやる上での準備ができていないというのだ。その結果、現地時間8月28日現在、70勝63敗でア・リーグ東地区4位。首位のレッドソックとは8.5ゲーム差をつけられている。当然の成績とも言える。

 この状況下、11勝をマークしている黒田は今季のヤンキースについて、以前このように話していた。

「チームが勝っていかないと全然面白くない。すごく見ていても歯がゆい、悔しい思いをしている」

 また、その思いはイチローも同様だった。

「勝つといい雰囲気になるけれど、負けるとね。ちょっとなんかね、その差が今のチームにはある感じがするんですよ。そこが安定している感じがしない。らしくないと言えば、ちょっとらしくない」

 昨季からワイルドカードが2枠となり、ポストシーズン進出の可能性はまだ残しているが、ワイルドカード1位、2位のレイズ、アスレチックスとの差は5.5ゲーム。ジーターやアレックス・ロドリゲスが戻ってきたとはいえ、今ひとつ勝ち切れていないのが現状だ。大事なことは各々が「すべきことをしっかりとする」こと。「やろうとしたけど出来なかった」ではピンストライプのユニフォームを着る資格はないに等しい。それがニューヨーク・ヤンキースのはずだ。

 残り29試合。チーム全員で自分たちの着ているユニフォームをもう一度見つめ直して欲しい。

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