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オリオールズに20歳の新星出現。A・ロッドの再来か? (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 そして今シーズン、マチャドは開幕から2番に抜擢されると、その期待に応えるようなプレイを早くも披露しています。4月10日、敵地に乗り込んだボストン・レッドソックス戦では、オリオールズの選手としてふたり目となる「20歳以下で決勝ホームラン」を放ち、さらに4月22日から4月30日にかけて、20歳以下としてチーム史上3人目となる「9試合連続ヒット」をマーク。4月は27試合に出場して打率.340・2本塁打・16打点と大活躍し、オリオールズ躍進の原動力となっています。

 マチャドのプレイを見ていると、まさにA・ロッドを彷彿とさせます。ユニフォームは違えども同じ背番号13番を背負い、打撃フォームやパワー面もA・ロッドにそっくり。現在は2番を任されていますが、この点もA・ロッドと同じです。1990年半ばにシアトル・マリナーズでデビューしたころ、3番にケン・グリフィー・ジュニア、そして4番にティノ・マルチネスがいたので、A・ロッドは2番を任されていました。そんな憧れの選手と同じような過程を、マチャドは歩んでいます。現在はチーム事情で三塁を守っていますが、マチャド本人はデビュー当時のA・ロッドのようにショートをやりたいようです。

 ただ、野球関係者の中には、サードを推す声もあります。三塁手としてオリオールズでメジャー最多16度のゴールドグラブ賞に輝いた「バキュームクリーナー(人間掃除機)」ことブルックス・ロビンソンも、マチャドのサードの守備を大絶賛していました。グラブさばき、スローイング、そして打球への反応など、すべて完璧です。ショートならカル・リプケン・ジュニアやA・ロッド、サードならブルックス・ロビンソンと、どちらにしてもメジャーの名選手と比較されているのですから、いかにマチャドの潜在能力が高いかが分かるでしょう。

 マチャドの活躍により、4月のオリオールズは球団記録となる16勝を挙げました。すでに地元ボルチモアでは人気者となっており、チームの中心打者になる日も近いと思います。近年、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)やブライス・ハーパーが20歳前後でブレイクして話題となりましたが、マチャドも忘れてはいけません。ぜひ、この「A・ロッド2世」にも注目しておいてください。

著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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