オリオールズに20歳の新星出現。A・ロッドの再来か?
バッティング・守備ともに関係者から絶賛されているボルチモア・オリオールズのマニー・マチャド【ニューカマー2013・打者編】
今シーズンは多くの日本人選手がレギュラーで活躍しているので、いろんなチームを見る機会が増えているのではないでしょうか。日本人に馴染み深いチームや、それらと対戦する相手チームを見ていると、昨シーズンは見かけなかった若手がプレイしていることも多々あります。毎年数人ほどの若手がレギュラーの座を掴みますが、その中には打撃十傑に食い込んでくるようなすごいバッターも......。そこで今回は、開幕1ヵ月にしてチームを牽引しているニューカマー打者にスポットを当てたいと思います。
まず、青木宣親選手がレギュラーとしてプレイし、日本で見る機会の多いミルウォーキー・ブルワーズのニューカマーを紹介しましょう。今シーズン、メジャー2年目となる青木宣親選手は、1番バッターとして目覚しい活躍を見せています。しかし、青木選手以上の活躍を見せる若手が出てきました。それは、23歳のジーン・セグラというショートストップです。
ドミニカ共和国のセグラは、2007年にロサンゼルス・エンゼルスと契約し、マイナーリーグの1番下のクラスからキャリアをスタートさせました。プロ入り当初は手足の骨折などで伸び悩みましたが、2011年、広角打法を身に付けてから頭角を現すようになったのです。ただ、エンゼルスのショートにはエリック・アイバーという名手がいるので、セグラは「将来の正二塁手」として期待され、2012年にようやくメジャーデビューを果たしました。
しかし、ここで転機が訪れます。デビューした直後、エンゼルスはザック・グレインキー(現ロサンゼルス・ドジャース)を獲得するために、セグラとマイナー選手2名を交換トレードで放出したのです。というのも、当時のブルワーズはショートの人材不足で、選手を固定できていませんでした。そして、このトレードはセグラにとって正解でした。8月6日に再びメジャーに昇格すると、シーズン終盤には22試合で打率.329と好成績を残し、いい形で新シーズンを迎えることとなったのです。
1 / 3
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)