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【MLB】ヤンキースは機動力野球が苦手?
プレイオフで当りたくないチームとは (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 また、レイズと同じぐらい苦手としているチームが、ロサンゼルス・エンゼルス(西地区3位)でしょう。ジェレッド・ウィーバー、ザック・グレインキー、C.J.ウィルソン、ダン・ヘイレンと、エース級が4人揃う先発はリーグ屈指です。さらに「元祖スモールボール」と呼ばれるエンゼルスの攻撃も注目。今年メジャー記録の新人から12年連続30本塁打を記録した主砲アルバート・プホルスに目がいきがちですが、ア・リーグ2位の121盗塁、同1位の40犠打と小技をからめ、同3位の694得点を叩き出しています。

 その攻撃の核となっているのが、1番バッターのマイク・トラウトです。開幕23試合までマイナーにいたにもかかわらず、現在リーグ断トツの116得点をマーク。さらに27本塁打、そしてリーグトップの45盗塁と、パワーとスピードをいかんなく発揮しています。これほど怖い1番バッターはいないのではないでしょうか。毎試合、トラウトが初回に出塁して得点している印象があります。短期決戦での先制点は非常に大きいので、必勝パターンを持っている今年のエンゼルスは、例年以上にてごわいと思います。

 またデータを振り返っても、ヤンキースはエンゼルスに対して苦手意識を持っているようです。2000年以降は55勝62敗と、ア・リーグで唯一負け越しており、プレイオフでも過去15試合戦って7勝8敗。2度ディビジョンシリーズで敗退しています。

 こうして見ると分かるとおり、ヤンキースが苦手としているのは、強力な先発陣を擁した機動力野球のチームなのです。レイズのジョー・マドン監督は、かつてエンゼルスのマイク・ソーシア監督のもとで長年コーチを務めていました。よって、両チームのタイプが似ているのも納得です。

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