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【MLB】ヤンキースは機動力野球が苦手?
プレイオフで当りたくないチームとは (3ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 逆にヤンキースがプレイオフでやりやすい相手は、意外やリーグ3連覇を狙うテキサス・レンジャーズかもしれません。なぜかというとヤンキースとレンジャーズは、タイプが似ているからです。リーグトップの打率.276、744得点を誇るレンジャーズ打線は非常に脅威だと思います。しかしヤンキースは、こういうタイプとの接戦に強いのです。さらにヤンキースは、レンジャーズの守護神ジョー・ネイサンに対して、苦手意識もありません。かつて、ミネソタ・ツインズ時代のネイサンをプレイオフで攻略して、打ち崩したこともありました。

 最後に、意外なところでいうと、オークランド・アスレチックス(西地区2位)も嫌な相手と言えるでしょう。なぜならば今シーズン、驚異の快進撃を支えている投手陣が、これまで実績のないルーキー投手だからです。チーム新人記録となる13勝を挙げている左腕トミー・ミローンを筆頭に、先発陣の多くがルーキー。さらにクローザーのライアン・クックも新人です。あまりにも対戦データがないので、何が起きるか分からない1発勝負のプレイオフでは、非常に戦いづらいと思います。

 今年はワイルドカードの枠も増えましたので、最終戦までもつれ込みそうな予感がします。ヤンキースがプレイオフに進出する可能性は高いので、今から他球団の動向を追うのも面白いのではないでしょうか。

※記録は現地9月15日現在

著者プロフィール

  • 福島良一

    福島良一 (ふくしま・よしかず)

    1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima

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