【MLB】ヤンキースは機動力野球が苦手?プレイオフで当りたくないチームとは
さすがのアレックス・ロドリゲスもレイズやエンゼルスの強力投手陣には毎回苦しめられている レギュラーシーズンも残り20試合を切り、プレイオフに進出しそうな顔ぶれも少しずつ見えてきました。イチロー選手や黒田博樹投手が所属し、日本人も注目しているニューヨーク・ヤンキースは現在、東地区でボルチモア・オリオールズ(1位タイ)、タンパベイ・レイズ(3位)と地区優勝を争っています。そこで今回は、ヤンキースがプレイオフに進出した場合、ポストシーズンで当りたくないであろうチームについて話したいと思います。
今、ヤンキースが最も恐れているのは、やはりレイズの存在でしょう。エースのデビッド・プライスをはじめとする若い剛腕投手陣は、今シーズンも群を抜いた成績を残しています。チーム防御率3.25、1215奪三振、被打率.231と、いずれもア・リーグ1位をマーク。しかも後半戦はさらに勢いを増してリーグ断トツの防御率2.57と、相手バッターはまったくのお手上げ状態です。現在、この強力レイズ投手陣から得点を取るのは、容易ではないでしょう。
特に18勝&防御率2.54で現在2冠のプライスと、昨年のプレイオフでも好投したマット・ムーア、ふたりのサウスポーは左打者の多いヤンキースにとって非常にやっかいな存在です。さらに抑えのフェルナンド・ロドニーも、現在リーグ最多43セーブと絶好調。強力ヤンキース打線ですら、レイズ投手陣を打ち崩せていません。
しかもレイズの強みは、投手陣だけではないのです。チーム打率、得点数ともにリーグ12位なのですが、盗塁はリーグ1位の127個をマーク。レイズの機動力野球は非常に油断できないと思います。さらに8月に左太もも痛で長期離脱していたエバン・ロンゴリアが復帰し、得点力もアップしました。今シーズン、ヤンキースはレイズと16試合戦って、6勝10敗と負け越しています。レイズの攻撃陣はここ一番の短期決戦で威力を発揮するタイプなので、ヤンキースはプレイオフに進出しないでほしいと願っているのでないでしょうか。
1 / 3
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)