2012.09.22

【MLB】新人王も夢じゃない。
チームメイトが語る青木宣親のすごさ

  • ブラッド・レフトン●文 Brad Lefton
  • photo by AP/AFLO

9月に入っても好調を続けている青木宣親 ヒットが出なかった8月下旬の夜。ミルウォーキー・ブルワーズのクラブハウスで青木宣親はロッカーでたたずみ、静かにそして落胆した声で語った。

「バッティングが全然ダメですね。タイミングも悪いし」

 さらに無安打に終わった翌日、自身への怒りと不満はより高まっていた。

「自分の問題だと思います。今日に関しては……」

 この時点で無安打は5試合、15打席にも及んだ。それは13試合連続安打を記録した後だったためか、余計に苛立ちを隠せないでいるようだった。ただ、スプリングトレーニングから青木を見続けている人たちの印象はまったく違っていた。

 今年のオールスターにも出場し、チームの顔であるライアン・ブラウンは「彼はすごくいい」と言い、次のように語った。

「青木は渡米して1年目、こっちの文化も知らず、投手のことも知らない。スカウティングリポートも読めない。これらのことを考えるとゾッとするし、あらためて偉大な挑戦なんだなと思うね。それ以上にすごいことが、彼が日本からずっと高度な野球を維持していること。青木にはずっと驚かされっぱなしなんだ」

 ブラウンの言葉通り、青木はその期待を裏切らなかった。5試合無安打が続いた後、28試合で37安打を記録し、9月20日現在、打率は2割9分3厘まで上昇。そして何より、青木への信頼を物語るのがオーダーだ。ヒットが出ない間も、青木はスタメンで試合に出続けるなど、もはやチームにとって、欠かすことのできない選手になっていた。

「もし、彼がいなかったらブルワーズはどうなっていたことか?」と、番記者のひとりが力説する。