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【MLB】新人王も夢じゃない。
チームメイトが語る青木宣親のすごさ (2ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 Brad Lefton
  • photo by AP/AFLO

「この男が今シーズンのブルワーズを救ったんです。チームが青木と契約を結んだ時、彼は外野の控えでした。でも、観てみてください、彼がどれだけチームに貢献してきたかを。他の外野手が本調子でない時、彼は何年もメジャーリーグでやっていたかのようなプレイで魅了した。彼の安定したライトでの守備があったからこそ、(去年の正右翼手の)コーリー・ハートを一塁手に移すことができ、プリンス・フィルダーの抜けた穴を埋めることができたんだ。もし青木がいなかったら、このチームは今頃大きな問題を抱えていたに違いない。この男は、2012年のブルワーズにとって非常に重要な選手になった」

 青木はヤクルト時代に2度の首位打者を獲得し、日本球界でこれまで誰も達成したことがなかった2度のシーズン200安打の実績を引っ提げ、30歳で渡米。メジャー1年目とはいえ、青木自身の目標設定は他の選手のメジャー1年目よりも高くなるのは当然のことだった。だからこそ結果が出ないことに苛立ち、不満を口にしたのだ。だが、シーズン中盤での不振を最小限に食い止めた能力の高さと経験力は、ブルワーズが青木を高く評価する部分でもあった。

 もはやチームに欠かすことのできない存在になった青木は、新人王候補にも挙げられている。ア・リーグでは打率3割2分7厘、27本塁打、77打点のマイク・トラウト(エンゼルス)がほぼ確定している中、ナ・リーグは青木をはじめ、多くの候補者が名を連ねる。青木は年齢と日本での実績が投票者の決断を鈍らせるかもしれないが、シーズン開幕当初、与えられた機会の中で堅実な仕事をこなしレギュラーの座をつかんだという事実は、投票者の心を動かすには十分な出来事だった。もし、好調のままシーズンを終えることができれば、新人王の有力候補になるに違いない。

 ここで青木と新人王を争う選手たちを紹介したい。当初は4月下旬から登場し、史上最年少でオールスター出場を果たしたブライス・ハーパー(ナショナルズ)が最有力候補に挙げられていた。しかし、19本塁打は放っているものの、打率は2割6分0厘と振るわず、新人王から遠のいた。

 ハーパーに代わり、頭角を現したのがダイヤモンドバックスの左投手、ウェード・マイリー。ここまでの成績は177イニングを投げ、15勝10敗、防御率3.10。なんと言っても、与四球34、被本塁打12本という少なさから、両リーグ通じて最高の新人投手だと言われている。

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