2012.09.16

【MLB】ヤンキース熾烈な首位争い。
イチロー、黒田が噛みしめる充実感

  • 笹田幸嗣●文 text by Sasada Koji
  • photo by REUTERS/AFLO

プレイオフ進出を懸けて奮闘するイチローと黒田博樹 ア・リーグ東地区が大混戦になっている。現地9月14日現在、ヤンキースとオリオールズが81勝63敗で並び、レイズが78勝66敗と3ゲーム差で追っている。3チームともに残り試合はちょうど18試合。おそらくシーズン最終戦まで三つ巴の大混戦は続くだろう。観る者にとっては最高のペナントレースだが、戦う者にとってこれほどタフなことはない。

「我々の戦いは、すでにポストシーズンと同じだ。これは10月の戦いに向けて、いい経験になる」

 ヤンキースのジラルディ監督は9月に入ってからこの言葉を繰り返している。

 そして、主将のジーターはこう語る。

「オリオールズやレイズの勝敗は気にしても仕方がない。我々にとって必要なことは、自分たちの勝ち星を積み重ねていくことだけ。それだけだ」

 まさにジーターの言う通りだと思う。引き分けのないメジャーリーグでは、単純に相手チームよりも勝ち星をひとつでも多く積み重ねれば、プレイオフ進出は決まる。ジーターは、ヤンキースのレギュラーに定着した1996年から昨季までの16シーズンで、実に15回もプレイオフに進んでいる。機微を知り尽くした男のシンプルな考え方に納得させられると同時に、周囲の戦いに一喜一憂しない考え方こそ、この時期の戦いで一番重要であると感じた。

 この考え方をもとに優勝確定ラインを92勝としてみよう。ヤンキースとオリオールズはともに11勝7敗、レイズは14勝4敗のペースでいかなければならない。こうしてみると、レイズはかなり厳しい状況だということがわかる。