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【MLB】7月のトレード期限を終え、補強に成功したのはこのチーム (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by Getty Images

 ただ、ビクトリーノに期待するのは、むしろ1番バッターとしての役割です。今シーズンのドジャースは開幕から絶好調でしたが、1番バッターだけが奮いませんでした。打率、出塁率、本塁打数ともにナ・リーグ14位と低迷。1番バッターのテコ入れは、今トレードの必須事項だったと思います。しかしビクトリーノなら、きっと新生ドジャースの切り込み隊長となってくれるでしょう。

 このドジャースの補強に対して、ライバルのジャイアンツも積極的に動きました。まずは7月27日に、コロラド・ロッキーズからマルコ・スクータロという内野手を獲得。この補強によって、守備に厚みが増しました。さらに7月31日には、フィリーズからハンター・ペンスも加入。これがジャイアンツにとって、最も大きな補強になったと思います。ジャイアンツのブルース・ボウチー監督は「パワーとスピードを兼ね備えた選手」とペンスを大絶賛しており、ペンスもジャイアンツの本拠地AT&Tパークで打率.329・5本塁打・10打点(通算20試合)と相性が良いのです。今後の地区優勝争いに欠かせない戦力になると思います。

 一方、ア・リーグで補強に成功したチームは、西地区のロサンゼルス・エンゼルスでしょう。7月27日にミルウォーキー・ブルワーズからザック・グレインキーを獲得できたことが、非常に大きかったと思います。カンザスシティ・ロイヤルズのエースとして2009年にサイ・ヤング賞を受賞し、ブルワーズに移籍した2011年も16勝をマーク。今シーズンも9勝3敗・防御率3.44と、素晴らしい成績を残しています。

 グレインキーを獲った最大のメリットは、ア・リーグ西地区に対して通算防御率2.89と、抜群の強さを発揮している点でしょう。今シーズンの西地区はテキサス・レンジャーズだけでなく、7月以降はオークランド・アスレチックスも快進撃を見せています。このままの調子で行くと、マリナーズを除く西地区の3チームがプレイオフに進出するかもしれません。そんな背景もあるので、グレインキーの出来が後半戦の優勝争いを左右するのではないでしょうか。

 エンゼルスの補強に対抗して、レンジャーズもトレード期限ぎりぎりにシカゴ・カブスからライアン・デンプスターという先発投手を獲りました。メジャー通算117勝の実績があり、今シーズンも5勝5敗の成績ながら、防御率2.25と安定したピッチングを披露しています。6月から7月にかけて『33イニング連続無失点』という記録もマークしました。

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