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【独立リーグ】浦和学院では控え、大学・社会人でも無名 それでもあきらめなかった坪井壮地が25歳で覚醒するまで (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Takahiro Kikuchi

 当然ながら、清田もそんなNPB側の事情は理解したうえで、坪井をプッシュしているのだ。

「確かに年齢は25歳ですが、チャンスはあると思います。昨年のドラフト会議を見ても、『若い選手を獲って育てる』というより、『即戦力を獲る』とシフトチェンジしている球団もあると感じました。坪井は本当によく努力していますし、実力でチャンスをつかんでもらいたいですね」

【浦和学院では背番号13で甲子園出場】

 身長180センチ、体重90キロとたくましい体躯の坪井だが、打席での構えには、スラッガー特有のいかめしさがない。坪井本人に聞くと、それがむしろこだわりなのだという。

「とにかく(打席で)真っすぐ立って、真っすぐ打ちにいきたいんです」

 体を不自然に傾けることなく、地面に対して垂直に立って構える。それが坪井の打撃の根幹を支えている。

「今年は構えがすごくよくなりました。構えが決まれば自分の間合いで打てますし、体のリズムがよくなるんです」

 驚異的な得点圏打率について触れると、坪井は「チャンスが好きなんで」と笑った。

「チャンスになればなるほど、『ヒーローになれる!』と楽しくなります。なかにはビビッてしまう選手もいると思うんですけど、僕は逆で、チャンスこそがっついていきたいと考えています」

 今季の打撃には、確かな手応えを得ている。坪井は「年齢的にも、今年は結果を出さないといけないですから」と今秋のドラフト指名を狙っている。

 なぜ、これほどの打者が埋もれてきたのか。その球歴をたどってみよう。

 千葉県で生まれ育った坪井は、埼玉の名門・浦和学院に進学している。同期には蛭間拓哉、渡邉勇太朗(ともに西武)がいる粒揃いの学年だった。

 とくに1年時から4番打者を任される蛭間は、「別格でした」と坪井は振り返る。一方の坪井は当時から一塁手で、試合には出たり、出なかったりの脇役だった。

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