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【高校野球】専大松戸・持丸修一監督が貫く"郷土愛と競争"の真意 「寮がないから負けたとは絶対に口にしたくない」 (3ページ目)

  • 高木遊●文 text by Yu Takagi

 そう目尻を下げるが、自身への評価に対しては、「自分がつくったなんて投手はひとりもいません」と言いきる。

「あまり強制はしません。自分なりの投げ方を見つけて、それを大切にしてほしいんです。きっかけは与えますが、よくなるかどうかは本人次第ですね」

 そして、昭和、平成、令和と移り変わるなかでの生徒たちの気質の変化についても、冷静に見つめている。

「気質って言うけど、15歳は15歳なんですよ。変わったのは、大人や周囲の環境です。監督が出すぎなければ、今も昔も15歳に変わりはありません。生徒にかける言葉は変わってきたかもしれませんが、当時も今も、みんな一生懸命やっている」

 持丸監督は、勝つために競争は必要だと説くが、それがすべてではないと語る。

「一時期、"みんなで一等賞"とか"みんな平等"といった考え方が流行りましたが、結局、社会は競争です。競争はあっていい。たとえ負けても、『おまえだってやればできる』と思えるようにしてあげればいい。そうした環境のなかで、大いに競い合えばいいんです。たとえば、勉強で負けたとしても、違う世界で勝てばいいんです。自分に誇りを持てる場所があれば、それでいいと思いますよ」

 プロ注目の捕手・吉岡伸太朗らを擁して臨む、自身13度目の甲子園。

「後悔しないようにプレーさせてあげたいです。落胆や絶望を感じることのない野球をしたいですね」

 そう優しく笑うが、いざ勝負となれば一転、厳しい表情で貪欲に勝利を追い求める。

著者プロフィール

  • 高木 遊

    高木 遊 (たかぎ・ゆう)

    1988年生まれ、東京都出身。大学卒業後にライター活動を開始し、学童・中学・高校・大学・社会人・女子から世代別の侍ジャパン、侍ジャパントップチームまでプロアマ問わず幅広く野球を中心に取材。書籍『東農大オホーツク流プロ野球選手の育て方〜氷点下20℃の北の最果てから16人がNPBへ〜』(樋越勉著・日本文芸社)『レミたんのポジティブ思考"逃げられない"な"楽しめ"ばいい!』(土井レミイ杏利著・日本文芸社)『野球で人生は変えられる〜明秀日立・金沢成奉監督の指導論(金沢成奉著・日本文芸社)では、編集・構成を担当している。

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