公務員志望から甲子園優勝投手で一変 京都国際・西村一毅が味わったジェットコースターのような波乱の1年 (4ページ目)
「あの試合はフォームが安定せず、コントロールも荒れ気味でした」と自身の投球を振り返ったが、西村が最も悔やんだのは技術以外の部分だった。
「秋と同じように自分が粘りきれなかったことが悔しかったです。最後に暴投で点を取られてしまったのも、秋と同じような失点の仕方でしたし......。秋から何も変わっていなかった」
秋、春の公式戦で上位進出を果たせないまま、チームは夏を迎えることになった。そこから、いかにして状態を引き上げていくのか。西村は、最後の夏に向けて、次のように語っていた。
「夏に向けては、試合のなかで自分が持っているものを、いかに使いきれるかを意識するようになりました。とにかく、試合勘を養っていくしかないと思っていました」
春の公式戦を終えると、5月、6月と毎週末の練習試合で、西村は先発マウンドに上がり続けた。だが、その調子は一進一退をたどる。6月半ば以降は近畿圏の強豪校との試合が多く組まれたが、長打を浴びて失点する場面が目立った。じつはその頃からフォームのバランスを崩し、思うようなピッチングができない試合が続いていたのだ。
「なかなか状態が上がらなくて、焦ることもありました。でも、どこかが痛いとかはまったくなかったんです」
そんな状態のなか、西村は高校最後の戦いへ臨むのであった。
著者プロフィール
沢井 史 (さわい・ふみ)
大阪市出身。関西のアマチュア野球を中心に取材活動を続けるスポーツライター。『ベースボールマガジン』『報知高校野球』などの雑誌や、『スポーツナビ』などのweb媒体にも寄稿。2022年7月には初の単著『絶対王者に挑む大阪の監督たち』(竹書房)を出版。共著としても8冊の書籍に寄稿している。
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