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【ドラフト】大阪桐蔭のキャプテンにしてエース、中野大虎が語る「阪神愛と燃え尽きた最後の夏」 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro

 ベンチに戻ると座ることもせず、前列で声を飛ばした。すると、ここから押し出し四球、相手のミス、内野安打とつづき、試合を振り出しに戻したのだ。

 最後はタイブレークとなった延長10回表、一死二、三塁から中野が2点タイムリーを浴び、その裏、大阪桐蔭も1点を返したがゲームセット。キャプテンエース・中野の夏は終わった。

 成長したピッチングを甲子園でも見たかったが、敗れてなお、中野の魅力満載の一戦。最後まで勝利への執念を前面に出し、チームを鼓舞する姿勢はまさに主将そのものだった。

文中敬称略

つづく>>

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著者プロフィール

  • 谷上史朗

    谷上史朗 (たにがみ・しろう)

    1969年生まれ、大阪府出身。高校時代を長崎で過ごした元球児。イベント会社勤務を経て30歳でライターに。『野球太郎』『ホームラン』(以上、廣済堂出版)などに寄稿。著書に『マー君と7つの白球物語』(ぱる出版)、『一徹 智辯和歌山 高嶋仁甲子園最多勝監督の葛藤と決断』(インプレス)。共著に『異能の球人』(日刊スポーツ出版社)ほか多数。

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