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【欧州サッカー】クリロナを罵倒した「パワハラ闘将」ロイ・キーンは、なぜファーガソンに愛され続けたのか

  • 粕谷秀樹●取材・文 text by Kasuya Hideki

世界に魔法をかけたフットボール・ヒーローズ
【第46回】ロイ・キーン(アイルランド)

 サッカーシーンには突如として、たったひとつのプレーでファンの心を鷲掴みにする選手が現れる。選ばれし者にしかできない「魔法をかけた」瞬間だ。世界を魅了した古今東西のフットボール・ヒーローたちを、『ワールドサッカーダイジェスト』初代編集長の粕谷秀樹氏が紹介する。

 第46回はアイルランドが生んだ「闘将」ロイ・キーンを紹介したい。ピッチ上では妥協を許さない「鬼教官」としてチームを鼓舞し、強烈なリーダーシップでマンチェスター・ユナイテッドの黄金期を牽引。弱気なプレーで逃げた同僚をピッチで罵倒するほど、勝利に貪欲な男だった。

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ロイ・キーン/1971年8月10日生まれ、アイルランド・コーク出身 photo by AFLOロイ・キーン/1971年8月10日生まれ、アイルランド・コーク出身 photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る「ルベン・アモリム監督はマンチェスター・ユナイテッドを率いる器ではない」「マヌケな身内にそそのかされ、近ごろの若い連中は何も成し遂げていないのに偉そうなことばかり言いやがる」

 ロイ・キーンの発言が、何かと物議を醸している。

 アモリム監督だけではなく、コーチ、主力、若手まで徹底的にこき下ろした結果、古巣マンチェスター・Uではキーンに対する拒否反応が起きているという。

 間抜けな身内とは、契約に関する強烈すぎる皮肉だ。バルセロナにローン移籍しているマーカス・ラッシュフォード、チェルシーに新天地を求めたアレハンドロ・ガルナチョ、異母兄弟が攻撃的なメッセージを掲げた(※)コビー・メイヌーは、いずれも契約交渉の進捗状況を身内が外部に漏らしている。

※オールド・トラッフォードの観客席で「コビー・メイヌーを解放しろ」というTシャツを着た異母兄弟が出場機会の減少に抗議を行なった。

 引退しておよそ20年が過ぎたというのに、キーンは怒り続けている。マンチェスター・U批判はオーバーヒート気味で、多くの共感を得るにはほど遠い。頻繁に「Fワード」を用いるため、少なからぬ顰蹙(ひんしゅく)も買う。言葉の選択肢を間違わなければ、好感度も多少はアップするのだが......。

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著者プロフィール

  • 粕谷秀樹

    粕谷秀樹 (かすや・ひでき)

    1958年、東京・下北沢生まれ。出版社勤務を経て、2001年、フリーランスに転身。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、海外サッカー情報番組のコメンテイターを務めるとともに、コラム、エッセイも執筆。著書に『プレミアリーグ観戦レシピ』(東邦出版)、責任編集では「サッカーのある街」(ベースボールマガジン社)など多数。

【図】FIFAワールドカップ2026出場国 フォーメーション&メンバー

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