【夏の甲子園2025】3年生のドラフト候補が限られるなか、スカウトが挙げた9人の逸材 「出力のレベルが違う」と大絶賛されたのは? (3ページ目)
トミー・ジョン手術から復帰した昨年の選抜優勝投手・佐藤龍月(りゅうが/健大高崎)もプロ志望届を提出する予定だという。ヒジを痛める原因となったインステップは以前より修正され、球速も夏の県大会前の復帰登板で自己最速を更新する147キロをマークしている。
「よく復帰しましたよね。体は本当に大きくなりました。手術して上半身が使えないなか、おそらく下半身トレーニングを相当やったのでしょう。太ももはびっくりするほど変わりました。苦しい時に頑張れる子なんだと思いました」(パ・リーグスカウトA氏)
「(173センチ、77キロと大柄ではなく)積んでいるエンジンを考えると、大学で鍛えてから勝負してもいいんじゃないかと思いますけどね」(セ・リーグスカウトD氏)
ただ、佐藤の現状は30球が目安の投球制限があり、復帰過程にある。「故障明けの選手を獲るのはリスクがありますし、ギリギリまで見たいというのが本当のところです」という声が多かった。
打者としてスカウトから高い評価を受けた横浜・奥村頼人 photo by Matsuhashi Ryukiこの記事に関連する写真を見る
【打者として最も評価された選手は?】
一方の野手は、投手に輪をかけてドラフト候補が少なかった。今年春の選抜では、ドラフト候補として注目された赤埴幸輝(天理)も、「この体(181センチ、74キロ)ではできない。体をつくって、3年後にプロを目指したい」と社会人入りを表明。スカウトから野手の名前はなかなか挙がってこなかった。
そのなかで、最もプロの視線を浴びたのが奥村頼人(横浜)だ。最速146キロをマークする左腕だが、スカウトからは打者として評価する声が多かった。
「(2試合で3本塁打を放った)神奈川大会で覚醒したなと思いましたね。バランスを崩されても、意外と打球が飛んでいく。ボールの運び方を知っているというか、手首の使い方がかなりうまいですね」(パ・リーグスカウトC氏)
「タイミングを取るのがうまいし、コンタクト力もある。高校生にしては、打球の強さもある。打者に必要な能力をすべて持っています。左投左打で足も速くないけど、これだけ打つセンスがあれば、獲る球団はあるんじゃないでしょうか」(セ・リーグスカウトB氏)
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