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【高校野球】九州国際大付にとんでもない逸材 「背番号10」がシートノックで披露した異次元の強肩に球場騒然!

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 衝撃のシーンは、試合前に訪れた。

 7月23日、久留米市野球場での高校野球福岡大会準々決勝。九州国際大付対八女学院の試合前に、シートノックが行なわれていた。

福岡大会準々決勝の八女学院戦で九州国際大付の3番手としてマウンドに上がった山本嘉隆 photo by Kikuchi Takahiro福岡大会準々決勝の八女学院戦で九州国際大付の3番手としてマウンドに上がった山本嘉隆 photo by Kikuchi Takahiroこの記事に関連する写真を見る

【辰己涼介の域を目指せる強肩】

 九州国際大付は下級生にタレントが揃っている。左翼には抜群のパンチ力を誇る来年のドラフト候補・牟禮翔(むれ・しょう/2年)、右翼には投手として無限の可能性を秘める大器・岩見輝晟(いわみ・らいせ/1年)、捕手には小柄ながら強肩強打で存在感を示す城野慶太(2年)。試合前から彼らは強肩を披露し、異彩を放っていた。

 だが、最大のサプライズを起こした選手は、中堅にいた。しかも、先発出場する選手ではなく、いわゆる「2枚目」。2番手としてノックを受けた「背番号10」のスローイングは、まさに圧巻だった。

 右腕の指先にパチッとかかったボールは、長距離にもかかわらずぐんぐんと加速する。低く、美しい軌道で捕手のミットへと突き刺さる。灼熱のスタンドで応援する部員たちの「えぐっ!」という声がこだました。

 驚くのも無理はない。全国各地のドラフト候補を取材して回っている筆者も、高校生外野手でここまでの強肩はあまり見たことがない。

 少なくとも今年見たなかでは、ナンバーワン。過去を見渡しても、肩を痛めていない時期の藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)と同等か。いずれは辰己涼介(楽天)の域を目指せるレベルに思えた。

 選手の名前は山本嘉隆という。投手登録の3年生だが、試合前のシートノックは中堅に入っている。夏の大会前に発売された一部の雑誌で取り上げられているものの、全国的には無名の存在だろう。

 この日、山本の出番は試合後半にやってきた。九州国際大付が7対1とリードした7回表、3番手投手として山本が起用されたのだ。

 身長178センチ、体重75キロと、とりたてて目立つ体格ではない。セットポジションから最近はやりのショートアームで、投球フォームがダイナミックなわけでもない。それでも、指にかかったストレートは、投球練習の時点でうなりをあげていた。

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著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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