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語学も実績もゼロから始まった井上心太郎のアメリカ挑戦記 次なる目標はNPBドラフトで指名されること (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro

 4年前まで誰も知らなかった「井上心太郎」という名前が、少しずつ光を浴びるようになってきた。井上は「興味を持ってくれる人が増えたのはうれしい」と語りつつも、さらにその先を見据えている。

「日本でプロ注目と騒がれた選手がアメリカの大学に行くのは、意外とそこまで大変ではないんです。でも、高校時代に日の目を見たことのない選手が、留学するケースが増えていくとうれしいですね。高校では不完全燃焼でも、アメリカで語学を学びながらハイレベルな野球を経験できる。こういう道もあるんだと知ってもらえたらいいなと。自分は、そんな選手たちへの道を示したいんです」

 パイオニアになる、その日まで。井上心太郎は自分の道を拓き続ける。


井上心太郎(いのうえ・しんたろう)/2003年6月18日生まれ。山口県山口市出身。高川学園シニア、高川学園高でプレーし、高校3年夏には控え内野手として甲子園出場。同期に立石正広(創価大4年)がいた。高校卒業後に渡米し、西ネブラスカ短大に2年在学後、カンザス州立大3年に編入。今季はNCAA1部で打率.279、9本塁打、31打点をマークした。

著者プロフィール

  • 菊地高弘

    菊地高弘 (きくち・たかひろ)

    1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。

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