病と闘う元大阪桐蔭・福森大翔「野球で言うなら、9回2アウト」でも「希少がん患者の声を届けたい」 (2ページ目)
保険適用外の各種自由診察にも関心はある。患者の弱みにつけ込んだような民間療法も少なくなく、賛否の声が多いことはもちろん承知している。しかし、生きるための可能性がわずかでもあるのなら試してみたい。とにかく立ち止まっている時間はない。
【クラウドファンディングを立ち上げ】
やれることはすべてやると動き続けた結果、多くの人の協力を得た。なかでも大阪桐蔭野球部OBで、不動産業の『センス・トラスト株式会社』を経営する今中康仁との縁により話が一気に進み、ネット上で賛同を呼びかけ、支援を募るクラウドファンディングを5月5日に立ち上げた。
そのサイト内には、福森の大阪桐蔭時代の同級生である森友哉(オリックス)、先輩の藤浪晋太郎(マリナーズ傘下)、澤田圭佑(ロッテ)、山足達也(広島)らのメッセージも寄せられている。
そもそも『センス・トラスト株式会社』は、2022年から京セラドームでのオリックス主催試合において、外野スタンドに自社広告を設置し、24年から本塁打の打球がその看板に直撃すると賞金を贈呈する『看板直撃賞』を設けるなど、オリックスのスポンサーを務めてきた。
そうした活動のなかで、6月15日に行なわれるオリックス対巨人戦を『SENSE TRUST DAY 2025』と銘打ち、協賛試合として開催される。当日は福森も来場し、試合前には希少がん周知のアナウンスほか、今中の始球式、福森のプレ始球式......さまざまな関連イベントを行なうことが決まっている。
「希少がんのことを多くの人に知ってもらえる貴重な場を提供いただき、ほんとに感謝しています。まず病気のことを知ってもらうことで、治療の可能性が広がってほしいですし、このプロジェクトを通して、少しでも多くのがん患者の方に希望を持ってもらうようになればうれしいです。
僕も病気になるまでは、健康に対する意識がほんとに低かったと痛感しています。でも、健康は人間が生きるうえでの基本。今回のプロジェクトが健康を考える機会になって、先々重い病気やがんで苦しむ人が減ってくれたら......と強く願っています」
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