【大学野球】YouTubeで話題沸騰! 東大エース・渡辺向輝が解き明かす「新アンダースロー理論」 (4ページ目)
【理詰めで磨いた投球理論】
── 「③コンパス」も円を描くためのコンパスを人間に見立てる、面白い表現ですね。両脚を広げることで、中心部のツマミ(人間の頭部に相当)が勝手に下がっていくという理屈でした。
渡辺 アンダースローを習得する時に一番多い勘違いが、「頭を下げよう」という考えだと思うんです。頭は下げるのではなく、勝手に下がっていくのだと。
── 頭を下げようとすると目線がブレて、コントロールするのも難しそうです。
渡辺 全部がブレてしまいます。自分の一番の課題が、頭の高さが変わってしまうことでした。投球時に頭が潜ってから、フィニッシュで上がってしまう。でも、「コンパス」で頭の位置を下げてから、「右足クロス」が入ると、頭の位置が変わらないことがわかりました。
── おぉ、ここで右足クロスとリンクするのですね。右足クロスはまさにコンパスで半円を描くような動きですからね。俊介さんも頭の位置については言及していて、右投手の場合は三塁側から見た時に「L」の字の軌道を描けるのが理想と言っていました。
渡辺 「L字」は現象としてはそのとおりですが、そのためにどう体を使うかが大事だと思います。
── 俊介さんへの強烈な対抗意識を感じます(笑)。別の記事で読んだのですが、俊介さんに対して反論することも多いそうですね。
渡辺 アンダースローとしての実績は、圧倒的に勝てないので(笑)。自分は考えてきた量でしか勝負できません。でも、投げ方については、短いスパンで父と同じ球速まで追いついてきました。
── 考えてきた自負がある。
渡辺 考えるのは自分の得意なところですから。父は数をこなすなかで、よかったものをひたすら覚えるというやり方だったと思うんです。自分は大学4年間という時間が限られたなかで、ミスしないよう、なるべく正確にたどり着くことを考えていました。
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