【大学野球】YouTubeで話題沸騰! 東大エース・渡辺向輝が解き明かす「新アンダースロー理論」 (2ページ目)
── 東京の進学校・海城高校では、3年生の夏前まではオーバースローだったそうですね。球速はどれくらい出ていたのですか?
渡辺 公式戦のスピードガンで138キロが出ました。
── その小柄な体型では速いですよね。ただ、夏の大会直前に故障もあって、アンダースローに転向しています。
渡辺 高校時代のアンダースローは付け焼き刃のようなものでした。大学に入学後は、しばらくオーバースローとアンダースローを混ぜていた時期があったんです。
── えっ、上からも下からも投げていたのですか?
渡辺 最初はアンダーがうまくいかず、1年春はオーバーとサイドでした。夏にはオーバーとアンダーと極端な角度で投げていました。草野球のピッチャーみたいですよね(笑)。
── そこまで極端に腕の角度を変える投手は、今までいなかったでしょうね。
渡辺 オーバーからアンダーに瞬時に切り替えるのは、難しかったです。その時に何を考えていたのか、ポイントになった3点を動画でお話ししています。
── なぜオーバーとアンダーを両立しようと思ったのですか。
渡辺 どっちも捨てたくなかったんです。でも、体に負担がかかりますし、調子が悪い日はどちらも戻しにくい難点もありました。これでは中継ぎはできても、先発はできないと感じました。1年の秋が終わってから、アンダーに絞りました。
── 渡辺投手がアンダースロー習得のポイントに挙げたのは、次の3点でした。①右足クロス、②真逆の軸足膝、③コンパス。いずれも野球用語としては耳馴染みのないフレーズです。とても重大な観点だと感じるのが、3点とも下半身の使い方ですよね?
渡辺 そうなんです。オーバーとアンダーをやってみて、上半身はほぼ同じ使い方という感覚がありました。違いがあるのは下半身だなと。
── 父・俊介さんも「アンダーもオーバーも80パーセントは同じ。残り20パーセントを教えられる指導者が少ないため、アンダースローが少ない」という趣旨のことを言っていました。
渡辺 自分も同じ考えです。あとは下半身のポイントをつかめば、勝手に投げられるようになります。
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